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BIG-B - 重力催眠グラゼルネスイッチトリパ -[VGC2016]

ポケモン

│2016.6.30

BIG-B - 重力催眠グラゼルネスイッチトリパ -[VGC2016]

皆さんこんにちは。ベテと申します。

少し遅くなりましたがライブ大会も終わったことなので、私がJCS予選で使用するべくずっと考察していた重力催眠トリル軸のパーティについて紹介致します。元々は3月中旬の「第弐回大正義オフ」で使用するべく2月中旬に構築したものでしたが、思った以上にパーティに手応えを感じたため、JCS予選に流用するべく調整を重ねてきました。

その後JCS予選前後あたりから思った以上に同系統のパーティが流行し、当初想定していた初見での強さは無くなってしまったものの今でも十分な強さを持っていると思います。私はライブ大会においては全く別のパーティを使用しましたが、実際はこれと同系統のパーティが多数勝ち上がっていたということで、とても複雑な心境です。笑

JCS予選において、私自身は登録ミスによって本命だったこのパーティは使用出来なくなってしまったものの、SNOWさん・イノセノさん・もうだめださん・うるふさんがこのパーティを使って全国大会出場を勝ち取ってくれました。また、私がサブで使用しなんとか全国出場圏に滑り込めたパーティについても、オリジナルの形からどのようなアレンジを加えたかについて紹介しようと思います。

概要

構築の出発点は「じゅうりょく」+「だんがいのつるぎ」のいわゆる重力断崖。このルールにおいて安定した勝利を得る上で、文句無しの最強ポケモンであるグラードンで技を外さずに通し続けることが最も近道だと考えたためこの選択となりました。そして、『グラードンが技を通し続ける』というコンセプトの最大の障害は相手にグラードンを縛られることだと考えたため、重力展開から直接グラードンの護衛に移る手段としてドータクンの「さいみんじゅつ」を採用しました。そのため、ドータクン+グラードンの並びとこのギミックをいかに通すかを軸に補完を考える形としています。

次に、このギミックを使う上で第2のエースとして最適と考えたのがゼルネアスでした。単体での抜き性能とグラードンとの補完は言うまでもなく、現環境に多い先発ゼルネアスのパターンを想定した様々なメタを避ける意味で、場を整えて後発から出す展開の多いこのパーティにマッチしていると考えたためです。『グラードン+ゼルネアス』という並びは最もメタの対象になるという点以外では間違いなく最強の並びだと考えており、通常とは異なる立ち回りに自然とこの並びを組み込める点で理想的な採用の仕方となりました。

ここまでで採用を決めた3体に加える形で基本選出を形成する枠として、『先発に出してトリックルーム展開をサポートし、展開後置物にならないポケモン』『そのポケモンが苦手とする相手へのケアが効き、トリックルーム展開が刺さらないと判断した時に別の展開方法が可能なポケモン』の2つが求められると考えました。そのため、それぞれに適任なポケモンとしてガルーラと「おいかぜ」ボーマンダを採用しています。求められる役割が競合しないため、ここでメガシンカを2体採用することのデメリットを感じることはありませんでした。

ここまででドーブルへの対策手段を用意していなかったため、最後1枠には1匹でドーブルを対策でき、なおかつ腐らないポケモンとして「トリックガード」ドーブルを採用。実際にはドーブル入りを初めとした一部の相手にしか選出しないものの、相手側もドーブルがいるだけで選出が歪むことが多いため見せ合い段階で非常に重要なポケモンでした。

結果的には環境トップメタである”BIG6”にドータクンが入った形、いわゆる”BIG-B(Bronzong=ドータクン)”へと落ち着きました。使い勝手としては元のBIG6が持つ数値の高さと補完の良さをそのままに、「じゅうりょく」+「さいみんじゅつ」+「だんがいのつるぎ」の強力な勝ち筋を組み込んで従来のメタをかわした形になります。種族値が高く耐性や攻撃範囲に優れたポケモンを強力なギミックにまとめられた点で、完成度に自信が持てるものになりました。

 

個別解説

Groudon-primalredorb グラードン

だんがいのつるぎ ほのおのパンチ みがわり まもる @べにいろのたま / ひでり→おわりのだいち
ゲンシカイキ前:189-210-160-*-140-85
ゲンシカイキ後:189-243-180-*-140-85
努力値:H108 A164 D236
性格:ゆうかん

D : C222ゲンシグラードンの「だいちのちから」を高乱数耐え(93.8%)

相手のグラードンとの打ち合いになる場面も多いため、1発は耐えるようにして残りをAに配分。ひかえめグラードンが少ないならば仮想敵をおくびょうグラードンにまで落としてAを上げた配分も考えられるものの、現状で火力に不満を感じることはありませんでした。また、Sは「さいみんじゅつ」を入れたグラードン等に即起きされた場合のリスクを軽減し、同速に勝った際に多大なアドバンテージを取れる場面が多かったため、最遅としています。このSでも最低限上を取りたいガルーラ等には先制出来るため、おいかぜ下での運用は十分可能でした。

基本的には後発に置いて「おいかぜ」「トリックルーム」等で場を整えた後に出すものの、ゼルネアスより早めに投げて「だんがいのつるぎ」をどんどん通していくことが仕事になります。このパーティのようにミラーやレックウザ・カイオーガ等の苦手な相手に自然に対応できるギミックと組み合わせれば、これ以上に強いポケモンはいないなと感じました。

だんがいのつるぎ
これを通すことがメインコンセプトとなる技。

ほのおのパンチ
「だんがいのつるぎ」が通らない相手に対してや単体への安定火力として打つ技。

みがわり
裏の最強技。自身や味方の縛りにより置ける機会が多く、特にグラードン・カイオーガ等との対面においてかかなりの優位を取れる。

まもる
打点を最も稼げるポケモンとして大事に扱う必要があるため。

Xerneaspowerherb ゼルネアス

マジカルシャイン ムーンフォース ジオコントロール まもる @パワフルハーブ / フェアリーオーラ
実数値:221-*-125-201-119-122
努力値:H156 B76 C252 D4 S20
性格:ひかえめ

C : 「マジカルシャイン」でH170-D110メガボーマンダを高乱数1発(81.3%)
C : 2段階上昇「ムーンフォース」でH154-D89ファイアローを確定1発
C : 2段階上昇「マジカルシャイン」でH157-D116メガクチートを高乱数2発(97.7%)
C : 2段階上昇「マジカルシャイン」でH207-D180ゲンシカイオーガを高乱数2発(89.1%)
C : 2段階上昇「マジカルシャイン」+「ムーンフォース」でH207-D111ゲンシグラードンを確定2発
B : A232メガレックウザの鉢巻「ガリョウテンセイ」を高乱数耐え(93.8%)
B : A232ゲンシグラードンの「だんがいのつるぎ」を高乱数2発耐え(99.6%)
B : A150ナットレイの「ジャイロボール」を高乱数耐え(87.5%) ※ジオコントロール前
B : A172メガクチートの1段階下降「アイアンヘッド」+「ふいうち」を確定耐え
D : C232ゲンシカイオーガの「しおふき」を確定耐え
D : C222メガゲンガーの「ヘドロばくだん」を高乱数耐え(87.5%)
B+D : A166/C172メガボーマンダの「ハイパーボイス」+「すてみタックル」を確定耐え

相手のゼルネアスとの積み合いを極力避けることができ、トリックルーム下で出すことも多いため、Sを切って火力と耐久に配分。強力なポケモンや本来苦手とするポケモンも力押しで行動される前に倒すことが可能なためCに特化し、残りを耐久に回す形を取りました。これにより、単体として勝てる相手が増え、パーティとして詰めるプランの幅が非常に広がります。トリックルーム下での動きを重視してSを少し落とす(S109=グラードン・カイオーガ―1)ことも考えたものの、非トリックルーム下においてカイオーガより先に動けることも多かったため、このままとしました。環境次第の部分もあるため、今後変更の余地も残されています。

後発から「さいみんじゅつ」やグラードンの縛りを盾に「ジオコントロール」から積めるパターンと、グラードンが苦手なポケモンを潰すために先発で使い捨て感覚で投げるパターンの両方を想定しています。この枠はカイオーガも候補に上がるものの、役割から考えたこのパーティとの相性はゼルネアスの方が良いと判断しました。

マジカルシャイン 
ダメージ効率も良く1体で両縛りの場面を作れるため、採用しない理由が無い技。

ムーンフォース
半減でも半端なタイプ不一致技よりも強く、強引に相手を1体落とせる場面が非常に多いため。

ジオコントロール
ゲームエンドまで持って行くことができ、プランが立てやすいため採用された技。レッドカードや「ほえる」等の露骨な対策も終盤からの積みなら怖くない。

まもる
場持ちが必要なポケモンであり、他の強い候補技も無いため。

Bronzongmentalherb ドータクン

ジャイロボール さいみんじゅつ じゅうりょく トリックルーム @メンタルハーブ / たいねつ
実数値:174-109-167-*-153-34
努力値:H252 B124 D132
性格:のんき

B : A172マニューラの珠「はたきおとす」を高乱数耐え(93.8%)
B : A242ゲンシグラードンの「だんがいのつるぎ」を高乱数耐え(93.8%)
D : C222ゲンシグラードンの「だいちのちから」を高乱数耐え(87.5%)
D : C232ゲンシカイオーガの「しおふき」を確定耐え

「スキルスワップ」型と異なり単体で「さいみんじゅつ」を撃てば撃つほどアドバンテージが取れるため、Aを切って耐久に特化させました。当初はよりDに寄せた配分だったものの、ドータクンを見て「だんがいのつるぎ」を撃つグラードンが増えて「トリックルーム」起動の確実性に不安を抱いたため、B寄りの配分に変更しています。グラードン・ファイアロー・ボルトロス・クロバット・エルフーン等のドータクンが役割を果たす障害になるポケモンと対面しても1度は行動が保証できるよう、メンタルハーブ+『たいねつ』型としました。

先発もしくは後発からの切り返しのどちらでも「トリックルーム」展開に持ち込むことが主な仕事ですが、難しい場合は耐性を生かして後攻「さいみんじゅつ」を狙うだけでも十分な活躍が見込めます。同様のギミックが可能でモロバレルより遅いムシャーナも候補として挙がったものの、ゼルネアス・ボーマンダ・ガルーラ等を起点に展開できる耐性がとても魅力的だったためドータクンを採用しました。今ではこの型のドータクンは容易に読まれてしまいますが、使い始めた当初は「スキルスワップ」型の方がずっと多かったため相手が無警戒なまま勝ちパターンに持ちこめることも多くありました。

ジャイロボール 
削り技として採用したものの、特にvsドーブルにおいて威力の不安定さが気になる場面もあったため、「アイアンヘッド」との選択。ただし、積み後のゼルネアスやマニューラへの強い打点が欲しかったため結局はこちらを採用。

じゅうりょく
パーティコンセプトのための技。「トリックルーム」より先にこちらから入る立ち回りもあり。

さいみんじゅつ
トリックルーム下で片方を味方で縛り、もう片方をこの技で止められる盤面を目指す。また、トリックルームを貼りたくない相手に対して自身の耐久を生かして後攻で眠らせ、味方の起点を作る立ち回りも可能。「じゅうりょく」を貼る余裕が無い場合は2回以内に当てればいいという気持ちで素で撃つこともでき、負け試合を60%勝ち取ることができる。

トリックルーム 
本パーティのコンセプトに最も合うS操作技だったため採用。「トリックルーム」絡みでなくモロバレルもいないパーティにはほぼこの技から展開する。

Kangaskhan-megakangaskhanite ガルーラ

ねこだまし すてみタックル グロウパンチ ふいうち @ガルーラナイト / せいしんりょく→おやこあい
メガシンカ前:211-161-102-*-100-85
メガシンカ後:211-194-122-*-120-94
努力値:H244 A252 B12
性格:ゆうかん

A : 「すてみタックル」でH191-B102クロバットを確定1発
A : 「すてみタックル」でH181-B110レックウザを確定1発
A : 1段階上昇「すてみタックル」でH175-B180ゲンシグラードンを高乱数1発(73.2%) ※グロウパンチと合わせて確定
A : 「すてみタックル」+「ふいうち」でH207-B118ゼルネアスを確定2発
B : A194メガガルーラの「けたぐり」を確定耐え
D : C222メガゲンガーの「ヘドロばくだん」を2段階下降時に高乱数耐え(75%)

トリックルーム下での削りが優先されるポケモンのためAに特化した最遅とし、ガルーラで相手したいポケモンとの対面で十分な削りの役割を果たせるように配分しました。また、ゲンガーに対して「ねこだまし」を打たねばならない場面は少なく、むしろ相手から「ねこだまし」を撃たれることが多かったため特性を「せいしんりょく」としました。ただゲンガーの「おにび」も増え、ヤミラミ等に撃ちたいと感じたこともあるため「きもったま」も十分選択の余地が残ります。

ほぼ先発で選出し、「ねこだまし」でドータクンの展開サポートをした後出来るだけ相手を削って退場します。自分の勝ちパターンに迅速に持ち込むことが求められるため、この枠にはガルーラレベルに火力の高いポケモンが欲しいなと感じました。

ねこだまし
トリックルームの補助という役割に必須の技。グラードンの「みがわり」やゼルネアスの「ジオコントロール」とのシナジーも強力。

すてみタックル 
メインウェポンとして、「おんがえし」よりもこちらを採用。理由としてはガルーラの役割が『腐らない展開補助要員=グラードンが場に出るまでの繋ぎ』のため大事に扱う必要が無いことと、上記のラインを満たす必要があること。

グロウパンチ
味方の「さいみんじゅつ」等の起点作り技との相性が良く、『ガルーラを腐らせない』という採用理由上欲しい技。相手ガルーラを1発で処理するために「けたぐり」を採用するかは好み次第。

ふいうち
倒れ際の一発により後発の技の圏内に入れる(相手のグラードンをこちらのグラードンの「だんがいのつるぎ」圏内に入れる等)動きが強く、また単純に「グロウパンチ」との相性が良いため。

Salamence-megasalamencite ボーマンダ

ハイパーボイス すてみタックル おいかぜ まもる @ボーマンダナイト / いかく→スカイスキン
メガシンカ前:170-156-90-162-100-167
メガシンカ後:170-166-135-172-110-189
努力値:A4 C252 S252
性格:せっかち

単純に削り能力が求められるポケモンのため、CSに特化した配分。今回の形では相手のボーマンダ、ゼルネアス、クレセリア等と対面する機会も比較的多いためDを下げない性格にしたものの、ガルーラやファイアローを相手する機会が多ければ無邪気に変えることになります。

ほとんどの場合は先発に置き、「おいかぜ」展開や味方が苦手とするポケモンの処理を担当します。vsグラードンや単体性能、S操作等のこのパーティの補完として欲しい要素を全て満たしてくれるため、ガルーラやゼルネアス以上にこのパーティには不可欠なポケモンと言えます。

ハイパーボイス
削り技として、この技を出来るだけ通してダメージレースを優位に進めることがボーマンダのメインの役割。

すてみタックル
ガルーラを初めとして、「ハイパーボイス」による削りの後にとどめを刺したい相手が多かったため採用。

おいかぜ
このルールでは1つのS操作により縛り関係が逆転する場面が多くパーティの中に出来る限り入れたかったため、手軽に使えるサブのS操作技として採用。単体で強いポケモンがS操作を持つゆえに、1つの試合の中で「おいかぜ」→「トリックルーム」やその逆のようなスイッチも自然に可能。

まもる
役割上他に採用するべき技が無く、「ねこだまし」持ちに対する初手が安定することから採用。必要ではないもののあると便利な技という認識。

Smearglefocussash ドーブル

ダークホール トリックガード ワイドガード ニードルガード @きあいのタスキ / ムラっけ
実数値:162-*-95-*-66-84
努力値:H252 B252 D4
性格:のんき

B : A194メガガルーラの1段階下降「すてみタックル」を確定耐え
S : 最遅カイオーガ・グラードン―1
S : おいかぜ下(2段階上昇時)で最速メガガルーラ・最速パルキア+1、最速ゼルネアス・イベルタル+2

ボーマンダと並べて出すことでガルーラの前でも1回の行動が保証でき、行動の幅が大きく広がるためHB特化の配分。また、トリックルーム下でグラードン・カイオーガに先制することと、おいかぜ下またはムラっけによるS上昇発動時にガルーラ・ゼルネアスに先制することが求められたためこのS設定。相手の高火力技に対してこのポケモンの1回分の行動保証が必要な立ち回りも想定しているため持ち物はきあいのタスキ。また、特性のムラっけは良い能力上昇を引くと大きなアドバンテージが取れるだけでなく、ドーブルミラーでのS判定にも有用です。

ドーブルやギミック系パーティを見るのが主な役割であり、他にもドータクンがどうしても選出し辛い場合に選出します。絡め手への十分な対策を行いつつ自身が腐らないようにできるポケモンとしてドーブル以上に優秀なポケモンはいないと感じました。また、ドーブルがいないパーティを使った際に相手に自由な選出を許してしまうことが気になったため、選出縛り役としても重要だと感じました(特にこの6匹だと相手はドーブル+ゼルネアスのケアを第一に考えねばならなくなるため)。

ダークホール
このポケモンがフリーの盤面もしくは切り際に打ってアドバンテージを取る、腐らないための技。積み技や「みがわり」持ちが味方に多いため、特にシナジーが強い。

トリックガード
相手ドーブルの対策という役割上必須の技。「さいみんじゅつ」等を中心としたギミック系パーティの対策としても重要。

ワイドガード
グラードンやカイオーガと対面する機会が多く、1度全体技を防げば勝ちの場面が多かったため。特にニャオニクス+グラードンのようなグラードンに削りを依存するパーティの対策に必要。

ニードルガード 
先発で「ねこだまし」持ちと対面した際の凌ぎに必要な技。これにより相手のドーブルを削ると楽な場面も多く、「ちょうはつ」や「アンコール」からも身を守る必要があるため「キングシールド」よりもこちらを採用。

選出

基本選出

Kangaskhan-megaBronzongXerneasGroudon-primal

「ねこだまし」+「トリックルーム」から入り、倒しやすい相手からガルーラで倒しつつ「じゅうりょく」。どちらかが倒された後から出たグラードンが「だんがいのつるぎ」を連打し、横のガルーラとの集中またはドータクンの「さいみんじゅつ」により制圧する。相手を倒しきる前にこちらが落とされれば、残った側の強い縛り能力を盾にゼルネアスが「ジオコントロール」を積んで締める。

vs モロバレル

Salamence-megaBronzongXerneasGroudon-primal

「ハイパーボイス」等で削りつつ、「じゅうりょく」から入って様子を見る。後発のモロバレルに対応可能と判断した場合は「トリックルーム」を貼り、厳しいと判断すれば後攻「さいみんじゅつ」を撃ちつつ「おいかぜ」からグラードンやゼルネアスが展開する。

vs ドーブル(ドーブル+ゼルネアス+グラードン想定)

Salamence-megaSmeargleBronzongGroudon-primal (相手にゼルネアスがいなければ、こちらはゼルネアスを選出)

相手のドーブルを「トリックガード」で抑えつつボーマンダでガルーラやグラードンを削り、グラードンが展開できる場を作る。ゼルネアスと対面した際にはドータクンに交代し、トリックルームからの切り返しを狙う。

vs イベルタル(イベルタル+クチート+グラードン想定)

Salamence-megaXerneasGroudon-primalSmeargle

ゼルネアスにイベルタルの処理および積まずに全体技で削る役割を任せ、ボーマンダと合わせて邪魔なポケモンを処理しにかかる。適当なタイミングで「おいかぜ」を撃って退場し、後発のドーブル+グラードンが展開する。

vs ディアルガ(ディアルガ+ドーブル+グラードン想定)

Kangaskhan-megaXerneasGroudon-primalSmeargle

ゼルネアスでボーマンダを牽制しつつガルーラの行動を通す展開を行う。ドーブルと対面した際には「ねこだまし」で止めつつドーブルを繰り出すことで対応する。相手のグラードンにはドーブル+グラードンの並びまたはゼルネアスによる力押しにより対応する。

vs グラードン+カイオーガ(グラードン+カイオーガ+ボルトロス+クレセリアorドータクン想定)

Kangaskhan-megaXerneasGroudon-primalSmeargle

ガルーラの「グロウパンチ」やゼルネアスの「ジオコントロール」を積極的に積み、ガルーラの「ふいうち」による縛りを盾にゼルネアスやグラードンの行動を通す。安定択が取りづらく読みへの依存が高いため、比較的苦手な並び。

vs ニャオニクス+グラードン

Kangaskhan-megaXerneasGroudon-primalSmeargle

ニャオニクスを「ねこだまし」および次ターンの攻撃により仕事をさせる前に落とし、ドーブル+グラードンの並びで後発のグラードンに対応する。

vs レパルダス+ドーブル(ねこのてダークホール構築)

Salamence-megaXerneasGroudon-primalSmeargle

相手からの主な打点となる「きあいパンチ」に耐性があり削りを期待できるポケモンで眠りが解けるまで待ち、「フェイント」役を処理した後にドーブルの「トリックガード」を生かして攻める。

JCS予選使用バージョン

[PC]

pokeball berry 技1 技2 技3 技4 特性
Kangaskhan-mega kangaskhanite ねこだまし すてみタックル グロウパンチ ふいうち せいしんりょく
Bronzong lumberry ジャイロボール さいみんじゅつ じゅうりょく トリックルーム たいねつ
Groudon-primal redorb だんがいのつるぎ ほのおのパンチ みがわり まもる ひでり
Xerneas powerherb マジカルシャイン ムーンフォース ジオコントロール まもる フェアリーオーラ
Salamence-mega salamencite ハイパーボイス すてみタックル おいかぜ いびき いかく
Smeargle focussash ダークホール ねこだまし ナイトヘッド このゆびとまれ むらっけ

[/PC][mobile][/mobile]

初見の相手と対戦する際にはオリジナルの形で間違いないという確信があったものの、JCS予選直前期には本パーティの詳細や立ち回り方を知られて思い通りに行かない事態も増えてしまったため、急遽別バージョンを併せて使用することとしました。以前よりドータクンにラムのみを持たせたパターンについても考察していたため、『オリジナルの形の立ち回りを想定した動きに逆手を取って潰す』ことを念頭に詰めることとしました。このパーティは強さを保ったまま細部の変更で立ち回り方や対応範囲を変えられることも強みだと思っているので、その一例として参考にしてもらえればと思います。

変更点は考えに至った順に

①ドータクンのアイテムをメンタルハーブ⇒ラムのみ
②ボーマンダの技を「まもる」⇒「いびき」
③グラードンのSを85⇒110
④ドーブルの技を「ニードルガード」「トリックガード」「ワイドガード」⇒「ねこだまし」「このゆびとまれ」「ナイトヘッド」
の4つであり、それぞれについて変更の経緯を以下に説明します。

①ドータクンのアイテム

オリジナルバージョンではドーブルの対策を「トリックガード」ドーブルに一任し、vsドーブルにおいて基本選出とは全く異なる立ち回りをしていたことから、ドーブル入りにも先発ドータクン始動の立ち回りがしたいと考えていました。

また、vsモロバレルにおいてもトリックルームからの展開が躊躇われる場面が多く、これらから基本選出内で催眠耐性を高めることを目指しました。とはいえ伝説2体+メガシンカの選出の中で催眠耐性を高める手段は限られており、一般枠のドータクンにラムのみを持たせるに留まっています。

ただ、vsモロバレルにおいては1度相手の「キノコのほうし」を防いで後攻で「さいみんじゅつ」を入れるだけで此方のパターンに引き込めるため、十分な対策だと言えます(ラムのみモロバレルは苦手)。一方でメンタルハーブを失ったためボルトロス、クロバット、エルフーン入り等に対しては異なる立ち回りを模索しなければならなくなりました。

②ボーマンダの技

vsモロバレルは解決したもののvsドーブルは依然未解決のため、このパーティ面子の中でドータクンと合わせてBIG6を初めとしたドーブル入りに有利を取る方法を模索していました。

その時YTさんの記事を見て「いびき」ボーマンダとの並びが有効であることに気づき、この方向で考えることとしました。しかし既存の攻撃技2つは必須であり、「ちょうはつ」持ちの入ったパーティに対して「トリックルーム」展開がし辛くなったため「おいかぜ」は更に重要な技となっていました。

一方で「まもる」は元々想定していたドーブルと並べる展開以外では必須な技では無いことが分かっていたため、これを抜けばいいという発想に。伝説2体がメインアタッカーとなるこのルール/パーティでボーマンダを大事に扱う必要は薄く、不便を感じることはありませんでした。

③グラードンのS

オリジナルバージョンと比べて「おいかぜ」の下で動くことが増え、特にメガゲンガーやクロバット、マニューラ等のドータクンを出しづらくて速いポケモンに先制したいと感じたためSを落とさないようにしました。その上でトリックルーム下で動くことを考えると、トリックルーム絡みでないパーティの大抵のグラードン・カイオーガは多少なりともSに努力値を振っているため、これに先制できるS110が最適としました。

④ドーブルの技

主にドータクンが出せない相手に出すポケモンと考えた際に、ドータクン自身の選出対象の変化のため、ドーブルの選出対象もドーブル等の催眠持ちからクロバット、ボルトロス、エルフーン等の「ちょうはつ」「アンコール」持ちへとシフトすることにしました。これらのポケモンを本来の立ち回りを封じられた中で処理する策として行きついたものが『ゼルネアスで積んで力押し』という一般的なグラードン+ゼルネアス構築の立ち回りへの回帰でした。

そのためドーブルには「ねこだまし」「このゆびとまれ」を持たせてゼルネアスの積みサポートおよび、ドータクンで強引にトリックルーム展開をする際のサポートの役割を任せています。この前者の役割の際、多くのグラードン+ゼルネアス構築が後発ガルーラやファイアローにより解決している『ゼルネアスによる削り残しの処理』がパーティ構成上行いづらいことが課題として残りました。

加えて、どちらの役割の際にも「ちょうはつ」を受けることが多く、特に後者の役割においてクロバット+メガゲンガーを相手する時に置物となるのはなんとしても避けたい事態でした。これを解決する手段として最適なのが「ナイトヘッド」であり、サポートの中で「ちょうはつ」を受けながらも自然にゼルネアスの削り残しを処理したり、後発グラードンの圏内に入れたり、メガゲンガーの前で置物となる事態を回避したりと非常に強力でした。

おわりに

私はこのパーティを2月頃から調整し続け、細部は違えどその過程で2月にドイツ任天堂協賛で行われた大会IdMで3位、3月の大正義オフで予選落ちするも個人5-1、シーズン14レートで最終5位などの戦績を挙げられました。間違いなくこのルールで最も使い込んだパーティと言え、基本ギミック・細部の調整共に自信が持てる本ルールの集大成です。

また、本パーティはSNOWさんおよび、イノセノさんとそれぞれ個別に相談・調整を行って作り上げられました。特に私が実際にジャパンカップで使用したラムドータクンバージョンの変更草案を持ってきてくれたSNOWさんには感謝しています。WCSはDay1からの出場となるものの参加の意欲があるので、今後も頑張りたいなと思います。
 
 

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ベテ

勝つために新しいポケモンやギミックを発掘するのが大好き。09ルールの頃から公式ルールをやっています。他にしゃでオフ副主催やポケモンサークル元代表など。 【Twitter】@colonel_vete

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