大乱闘スマッシュブラザーズDX

スマブラ世界大会”Genesis4”DX部門の名勝負を振り返る

スマブラ世界大会”Genesis4”DX部門の名勝負を振り返る

 

Genesis4

genesis4

2017/1/20~22にかけて行われたスマブラの世界大会「Genesis4」。DX部門の参加者は約1700人を越え、参加する”スマブラファンにとっての祭典”となったこの大会。今年も数多くのドラマが生まれたGenesis4だが、そのなかでもDX部門に焦点をあて、名勝負を振り返ってみよう。

 

連覇したArmada

名勝負を振り返る前に優勝者であるArmada(ピーチ、フォックス)に触れずにはいられない。昨年のGenesis3で優勝し、2016年のスマブラDX世界ランク1位と他の追随を許さなかった彼だが、このGenesis4ではその地位を確固たるものに知らしめることになった。

 

トーナメントで一度も負けることなく勝者側まで上り詰めたArmadaに挑むは、昨年と同じくMango(ファルコ、フォックス)。Genesisシリーズにおける「Mango vs Armada」というカードはこれまでの戦績からすっかり名物となっている因縁のカードだが、「そんな因縁は過去の話」と言わんばかりの声がArmadaのプレイから聞こえてくるようだった。3-0で圧倒的な勝利を手にしたArmadaは、2017年もその実力を余すとこなく発揮してくれるだろう。

 

Armada(ピーチ) vs S2J(ファルコン)

 

2日目の大会会場を一番沸かせたのは間違いなくこの試合だろう。Wizzyと肩を張るトップのファルコン使いS2JはトーナメントにてArmadaと対峙する。多くのファルコン使いにとって鬼門となっているMew2kingのシークArmadaのピーチの片方との勝負だ。

 

これまでの戦績で言えば毎回S2JがArmadaに苦汁を飲まされていたがこの日は違った。ファルコンの空中ニュートラル(通称:ロータリー)などの空中機動にも磨きをかけたS2Jは何度もArmadaのピーチを翻弄していく。初戦、2戦目とS2Jが先取し、ファルコン使いの逆襲がはじまると思われたが、相手はスマブラ5神のひとりArmada。そう易々とトーナメントの先を譲ってはくれない。続く3戦目、4戦目とArmadaが取り返し勝負は2対2のまま5戦目へ….。現地では予選中にも関わらず、試合を中断し会場中が見守っていたそうだ。

 

Mango(ファルコ) vs Leffen(フォックス)

 

MangoはArmadaに、LeffenはPlupに敗れ敗者側であいまみえたこのふたり。Mangoは直前にHungryBoxを下し覚醒モードこと通称”ネオ・Mango”へ。LeffenはAxeのピカチュウを3-0で下し、神々を破り制した大会GOML2016を彷彿とさせるようなプレイで異名”神殺し”の片鱗を見せていた。”覚醒した神””神殺し”の対決は会場を沸かせるためのエネルギーとなるには充分だった。

 

もちろん、凄まじかったのは試合背景だけではない。試合の内容があってこそ背景が引き立つのだ。Mangoのファルコはリフレクターから畳みかけるように火力を取っていくがその”隙”を逃さないのがLeffenのフォックス。Mangoがリードしたかと思えば次の瞬間にはLeffenがリードしている。たとえどんなにストックに差がついていても、彼らにストックリードという概念は無い。
最後にステージに立っていた者が勝者なのだ。

 

試合が進むにつれ操作が荒々しくなっていくふたりの試合は5戦目ラストストックまでもつれ込む。なんとか、掴みやリフレクター後のダウンから火力を狙うLeffenにMangoは攻撃こそ最大の防御と言わんばかりに応酬する。何度かMangoを場外に出すも、エッジガード(復帰阻止)でストックを奪いきれないLeffen。そして最後に隙を見せてしまったのはLeffenだった。Mangoのターン。場外へ飛び出る捨て身のドリル(空中下攻撃)でこの試合をMangoが制した。

 

Mew2king(マルス) vs Armada(ピーチ)

勝者側決勝で行われたこのカード。試合内容をひと言で表すなら「底力の対決」といったところだろうか。Mew2kingは老舗らしい緩急を付けたプレイから一転、あらゆる行動を最速で行うプレイスタイルでArmadaのピーチを翻弄する。横スマッシュ、空下、置き上強攻撃など、随所でArmadaの動きに読み勝ち初戦でリードをつかむMew2king。

 

しかし、Mew2kingに圧倒されるばかりのArmadaではない。Armadaピーチの意地ともいえる粘り強さは、Mew2kingの弱点であるメンタル面に徐々にプレッシャーをかけていく。両者拮抗し互角とも思えた5戦目。Mew2kingは途中で取り乱し精細を欠いていた…。

 

一瞬の気の緩みからか、火力を取られ、メンタルを乱し、また火力を取られる”負の連鎖”に陥るMew2king。今大会、決してMew2kingが不調だったわけではない。むしろ好調とも言えたが、それすらを上回るのが優勝者Armadaだったのだ。

 

その他

 

大会成績は以下の通り。

優勝 Armada(ピーチ/フォックス)
準優勝 Mang0(フォックス/ファルコ)
3位 Mew2King(マルス/シーク)
4位 Hungrybox(プリン)
5位 Leffen(フォックス)、Plup(シーク)
7位 Westballz(ファルコ)、Axe(ピカチュウ)

トーナメント表はこちらから

 

めがね/Megane

スマブラDXプレイヤー。ビジョンキャンセルが得意。

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