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家でWCS2016観戦を楽しむ為の解説②-VGC2016の応用知識編

ポケモン

│2016.8.19

家でWCS2016観戦を楽しむ為の解説②-VGC2016の応用知識編

今回はVGC2016解説記事第二弾として、前回の前提知識を踏まえた、その他の有力構築や、把握すべき並びを解説するものになります。もし第一弾の記事に目を通されていない方は、先にこちらに目を通していただければと思います。
 

目次

  • 有力構築の解説
  • 把握すべき並び
  • 次回の案内
  • 有力構築の解説

    BIG-C(ビッグ・シー)

    [使用者]チェイス・リーベルト [成績]WCS2016アメリカ全国大会優勝 [mobile]
    [/mobile]

    BIG-C(Cresselia=クレセリア)、2016年アメリカ全国大会優勝構築です。「こごえるかぜ」「トリックルーム」クレセリアを採用しており、その大きなメリットとして、相手のレックウザやボーマンダに強いポケモンをゼルネアス以外も確保できる事、「トリックルーム」を所持することで相手の「トリックルーム」を返したり、「でんじは」や「おいかぜ」をされても逆転できるという事があります。

    この場合のグラードンは、ファイアローが不在であることや、「こごえるかぜ」で相手の最速グラよりも早くなれることから、最速であるケースは稀であり、臆病CS振りグラードンの「だいちのちから」を耐えるまでしっかりと耐久に努力値を回した個体が殆どですが、特殊か物理かは人によって変わります。

    ただしファイアローの不在や、グラードンが最速でない事から、爆発力という点ではBIG6には劣っており、やることが無くなっても「さいみんじゅつ」が打てて、ゼルネアスに「ジャイロボール」という大きな打点を持つドータクンと比べると、クレセリアはすることが無くなったら貧弱であるという側面があるため、BIG6やBIG-Bより評価は劣ります。

    レックゼルネ

    まず前提として、臆病CSグラードンの「だいちのちから」で、相手のCSグラードンが確定1発であることを認識しておいてください。

    「だいちのちから」持ち最速グラードンを使用していると、グラゼルネとの対戦において、しばしば同速対決や、Sを下げて「だいちのちから」を耐えるように調整した個体と対決することになり、非常にリスクの高いものになります。

    レックゼルネは、これを避けるために「たきのぼり」でグラードンに大きな打点を持つレックウザを採用したものです。グラードンと比べて「しんそく」を持つので、例としてゼルネアスに対して素早さ関係を気にせず技を打つことができるというメリットもあります。

    最大のデメリットは、グラードンが担っていた鋼タイプ、特にドータクンへの打点不足であり、使用者は相手のドータクン関連の戦術に対する解決策を組み込むことが必須となります。

    余談として、この構築に用いられるドーブルは「こだわりスカーフ」「ねこだまし」持ち、モロバレルはゼルネアス対策の「レッドカード」を所持しているケースが多いです。

    グラレック

    2016年日本全国大会優勝構築です。基礎知識編で解説したドーブルグラードンが基本的な初手で、序盤はドーブルの「このゆびとまれ」でサポートしながら、グラードンの「ふんか」でビートダウンしていき、強力な先制技を持つ控えのレックウザとファイアローで、残ったポケモンを縛りに行くというのが基本的な動きになります。

    海外では「ねっとう/氷技/おいかぜ/ほえる」という技構成のスイクンを構築に搭載することで、さらにグラゼルネ構築に対して強度を高めた構成にすることが増えています。

    最大のデメリットは択ゲーが発生しやすいゆえに、使用者の腕が問われることと、レックオーガに対してはグラードンとカイオーガの相性差から不利を取っているので、空いた枠はその部分を意識したものになることが多いです。

    グラードンイベルタル

    この構築を使用する最大の理由として、イベルタルがグラカイドータの3体全てに有利を取れる点が挙げられます。

    しかし、例えばグラゼルネ相手には、イベルタルとゼルネアスの相性もあって、空いた枠でゼルネアスへの策を取る必要があります。具体的によく用いられるのは、「ジオコントロール」で素早さを2段階上昇させたゼルネアスよりも早く動ける『ようりょくそ』ワタッコや、鋼タイプでイベルタルの特性『ダークオーラ』ともシナジーがある「ふいうち」持ちメガクチート、BIG-Bのような動きをすることが期待されるドータクンなどです。

    またボーマンダの処理が相当厳しい事から、この構築に入る化身ボルトロスは「めざめるパワー氷」個体が多く、イベルタルが「イカサマ」を持っているケースもあることから、「いばる」の所持も考えられます。

    ガルーラが入ってる場合は、中盤以降特性『ダークオーラ』の影響下でのガルーライベルタルの「ふいうち」集中で倒せる範囲が物凄く広い(たとえば、イベルタルが「いのちのたま」を持っていればメガボーマンダも倒せます)ことから、対戦相手にも相当のプレッシャーがかかります。

    レックオーガ

    2体ともグラードンに強い伝説ポケモンで、それゆえにグラードンではない方の伝説を処理すれば勝ちに近づくという、明確な試合展開を目指せることから、黎明期から使用者がいる構築です。

    カイオーガが「こだわりスカーフ」を持っているかどうかで全く別の構築になるので、2つに分けて説明します。

    ①スカーフカイオーガ

    基礎知識編で説明したドーブルオーガ初手が可能になるものです。基本的にグラードンが入ってない構築には、レックウザ無しでもスカーフカイオーガの攻撃を通しやすいことから、ドーブルカイオーガのどちらかの動きが通りやすいです。そのため、パーティの残りのポケモンは基本的にグラゼルネなどを意識したものを搭載することになります。

    その一貫でクロバゲンガーが入っているケースでは、それらを先発に置いて、「ちょうはつ」や「くろいきり」などを用いつつゼルネアスを処理した後に、後半レックウザとスカーフカイオーガを並べて「しおふき」連打で試合を終わらせるというプレイングを取るのが基本になります。

    ②ゲンシカイオーガ

    基本的に①の「こだわりスカーフ」の形の方が強いですが、こちらの場合は天候を「つよいあめ」にできることで、例えば「ほえる」を持った「めざめるパワー水」サンダーで、相手のグラゼルネに対抗するということができたり、「トリックルーム」要素を組み込むことができたりするという特徴があります。

    こちらの型の場合も勿論何もなしでは相手のゼルネアスがキツイので、「ちょうはつ」や「くろいきり」を持ったクロバットが同居することが多く、クチートなどの鋼ポケモンが入ることがよくあります。

    把握すべき並び

    クロバゲンガー

    一般的にグラゼルネ構築を封殺できる先発として、主にレックオーガに搭載されます。

    クロバット@ラムのみ
    おいかぜ ちょうはつ くろいきり いかりのまえば

    ゲンガー@ゲンガナイト
    ヘドロばくだん めざめるパワー氷/水 鬼火
    耐久調整:「いのちのたま」ファイアローの「ブレイブバード」耐え

    この2匹を先発に並べると、グラゼルネ側がいかなる先発を出しても、対応できるということから注目されました。

    しかし、グラゼルネ側もこれを黙って見てるわけはなく、例えば初手でファイアローを出して、裏からゲンシグラードンを出しながら「フレアドライブ」でゲンガーを倒しに行くなど、対処法が発見されてしまっていることもあり、現在は下火になりつつあります。

    グラワタ

    グラードンワタッコ。主にグラゼルネに勝つことを意識して、グラゼルネやグライベルに搭載される並びです。まず技・持ち物等の構成は、

    ワタッコ@タスキ/バコウのみ/メンタルハーブ
    いかりのこな ねむりごな +(アンコール/てだすけ/まもる)から選択

    グラードン@べにいろのたま
    ふんか だいちのちから めざめるパワー氷/10まんボルト まもる
    配分:臆病CS

    が基本です。晴れ下のワタッコは、「ジオコントロール」を積んだゼルネアスよりも速く、ファイアローやレックウザなどで対策しない限り自由な行動を何回も許すこととなります。単純に「いかりのこな」でグラードンの「ふんか」を通すというプレイングも可能であり、ドーブルグラードンと似たような強さを持ちます。

    具体的な対策としては、「しんぴのまもり」や「トリックガード」などで「ねむりごな」を防ぎつつ、かといって「いかりのこな」で吸われてしまうことのないように、全体技でグラードンの「ふんか」の火力を削いでいく立ち回りが挙げられます。

    次回の案内

    第3回は構築・個体ランクを掲載しながら、グラードンやゼルネアスなど、有力なポケモンについての解説を述べます。

    解説① 前提知識編
    解説③ 個体解説編

    京都大学ポケモンサークル所属。カマルオフスタッフ。トップメタを使ったミラーゲームをすることを避け、それを独創的なアイデアで対策することで勝利を重ねるスタイルを取っている。趣味はスポーツ観戦。WCS2015Day2、バトルロードグロリア2015日本一決定戦出場。

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